- コラム
地鶏・銘柄鳥・ブロイラーの違いについて
~地鶏とは~
日本の三大地鶏は、『比内地鶏』『名古屋コーチン』『さつま地鶏』などと耳にされた方もたくさんいると思います。
では、地鶏とはどのような鶏を呼ぶのでじょうか?
地鶏とは、日本農林規格(JAS)に記載せれている、在来種純系によるもの、または素びなの両親か片親が在来種であることで、在来種由来血液成分が50パーセント以上かつ出生の証明が出来る国産鶏の総称です。
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・「80日(改定後の現在は75日)以上の飼育期間」
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・「28日齢以降平飼い〔注1〕での飼育」
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・「28日齢以降1㎡当たり10羽以下の飼育密度」
更に飼育条件として、
という、厳しい飼育条件をクリアしたものが、地鶏として認定されます。
(〔注1〕平飼いとは鶏舎内、または屋外において、鶏が床面を自由に運動出来るようにして飼育する方法です)
また法律では、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(いわゆるJAS法)の規定は強制力があるわけではなく、「地鶏は地面で育てた鶏」、「地元の鶏」などの意味だと主張されることもあります。ですが、JAS法の定義を満たさない鶏の加工品を地鶏として売ることは「不当景品類及び不当表示防止法」違反の恐れもあります。
近年は、JAS企画以上の独自の基準により、さらに厳格な管理のもと生産されている事例もあります。長期の飼育期間や専用資料の使用を義務づけるなど、ばらつきなく品質の良い鶏肉を出荷するため、各生産協議会等があえて厳しいルールを定めています。
詐称を防ぐ細やかな表示義務もあり、安心して購入できる仕組みを整い、また地域ごとにさまざまな地鶏が開発してきました。
地鶏は細かな条件で育てられるため、歯ごたえのある肉質や特色のある味になります。
鶏本来の「旨みとコク」「適度な歯ごたえ」が、高級食材として重宝されています。
旅先などで地鶏のメニューを見かけた際は、ぜひその土地ならではの地鶏を堪能してみてはいかがでしょうか。
~在来種とは~
銘柄鶏とブロイラーの話の前に、上記で記載した在来種についてお話しを・・・
在来種とは、明治時代までに国内で成立、または導入されて定着した鶏の品種の事です。
『烏骨鶏・尾長鶏・コーチン・比内鶏・軍鶏』などの38種の鶏と定められています。
この在来種の血統が、50パーセント以上入っている品種しか「地鶏」とは名乗れません。
弊社のオリジナルブランド「京紅地鶏」の両親、『ロードアイランドレッド』も勿論、在来種にあたります。
また「明治時代までに」とあるように、江戸時代末期の頃にはすでにこれだけの品種が飼育されていたということになります。
これだけ豊富な鶏が生産されていたというのは、豚肉や牛肉を食べる文化が西洋よりも遅かった、日本ならではといったところかと思います。
~銘柄鶏とは~
銘柄鶏とは、日本で飼育し、地鶏に比べ増体に優れた肉用種と言われるもので、飼料や環境など工夫を加えて飼育されたことにより、一般的なブロイラーよりも味や風味など改良した鶏のことです。
飼育日数も、約40日~70日と生産者によってさまざまです。
日本農林規格(JAS)による定義はありませんが、「一般社団法人 日本食鳥協会が認定したもの」という規定があります。
「地鶏の条件に当てはまらないがブロイラーではない食鶏」や「ブロイラーをアップグレードした食鶏」が銘柄鶏という感じになります。
銘柄鶏のベースは、ほとんどがブロイラーです。
種類は2種類に分かれ、ブロイラーと同じ種類の「白系」と赤鶏を両親に持つ「赤系」に分類されます。
日本の銘柄鶏のほとんどが白い鶏で、英国「AVIAGEN社」から輸入されたチャンキーや「COBB社」から輸入されたコッブが主流です。
また両親ともに「赤鶏」である銘柄鶏の流通量は、地鶏の1パーセントよりは上回りますが、わずか1.5パーセントの希少な食鶏です。(一般社団法人 日本赤鶏協会参照)
銘柄鶏はブランド品質であり、銘柄ごとに異なる肉質や味をもちますが、価格は地鶏に比べて手頃ですので、飲食店さんにとって使いやすい食材と言えます。
~ブロイラーとは~
ブロイラーとは、短期間で急速に成長させる狙いで作られた商業用の肉用鶏の総称です。
「ブロイラー」という名前の品種が存在するわけではありません。
品種としては、「チャンキー・コッブ・アーバエーカ」などが主なもので、白色コーニッシュ(雄)と白色プリマスロック(雌)を交配させた品種です。
生育がとても早く、現在では生後5~7週間で出荷され、最大2~3kg前後の肉が取れます。
成長するスピードは、地鶏・銘柄鶏と比較しても圧倒的な早さが特徴です。
飼育方法などに特別な基準はなく、北海道から沖縄までほぼ全国で生産しています。
ブロイラーは徹底した育種改変の研究により、過去50年間で成長率が1日50gから100gへとあがっています。
その結果、通常鶏は成鶏に達するのに4~5ヶ月かかるところをブロイラーは、40~50日で成鶏の大きさに達するようになりました。
50日ほどのわずかな日数で出荷されるので、肉質は柔らかく、淡白な味が特徴です。
ほとんど動かず餌をたっぷりと与えられて育ち、短期間で出荷できるため、リーズナブルに手に入るメリットがあります。
「ブロイラー」はもともとアメリカの食鶏規格の用語で、broil(ブロイル)が由来となっており、「焼き・あぶり」向けに開発された小サイズの「直火焼き用丸鶏」を表す言葉でした。
当初のブロイラー用サイズは1kg前後の幼鶏でした。
現在日本で呼ばれている「ブロイラー」とは、いわゆる国産鶏肉の事です。
余談になりますが、現在アメリカでは「約7週間日齢、内臓抜きの重量1.1kg~1.2kgの鶏」と定義されています。
~まとめ~
今回のコラムで、みなさんに「地鶏・銘柄鶏・ブロイラー」の違いを知っていただけたかと思います。
違いを知った事により、今後鶏肉を召し上がる際にそれぞれの特徴の風味や味わい・食感などを堪能し、楽しみながら鶏肉を食してみてください。
弊社でもブロイラーはもちろんの事、商標登録商品の「京紅地鶏」をはじめ、たくさんの地鶏と銘柄鶏を取り扱っております。
今後もみなさんに鶏肉を通して、食の楽しみを提供させていただきます。